変わりゆく街の魅力を再発見 新・小杉散歩

2017.09.28

中原街道のカギの道と小杉御殿

中原街道を小杉十字路から西明寺参道入り口に向かう途中に、「カギの道」と呼ばれるクランクの道があります。

小杉十字路方面から見た、西明寺の交差点。

西明寺交差点から、参道の入り口方面へ。右側への直角のカーブになっています。

この道の由来は、徳川二代将軍・秀忠がこの地に御殿を建てたことにさかのぼります。
見通しが悪く、わたしたちには決して便利とはいえない道ですが、この形状は敵が侵入するのを防ぐのに有効とされ、城を守るための重要な役割を果たしていました。

西明寺参道の入り口には、この小杉御殿跡を示す石碑と、見取り図看板が設置されています。

西明寺の参道に建てられた御殿跡石碑。1969(昭和44)年に武蔵中原観光協会が建てたもの。

石碑の後ろに設置されているカギの道の案内板。御殿の敷地はおよそ12,000坪とされ、絵図には表御門、御主殿、御殿番屋敷、御賄屋敷、御蔵、御馬屋敷、裏御門などが示されている旨を、「御殿見取り図」ともに説明しています。

「小杉御殿見取絵図」は、小杉村名主、安藤家に残されています。(「中原街道と周辺の今昔」デジタルアーカイブ「小杉御殿とカギの道」より)

小杉御殿見取絵図から作成された御殿の図。(「中原街道と周辺の今昔」デジタルアーカイブ「小杉御殿とカギの道」より)

江戸初期にはそのような役割を担っていたものの、車社会の現代では、交通事故を招く可能性の高い道となってしまいました。
現在川崎市では、このカギの道を解消すべく、西明寺参道入り口から小杉十字路を直進する道路の新設工事を行っています。

中原街道の拡張工事。(「中原街道と周辺の今昔」デジタルアーカイブ「中原街道の「カギの道」の解消へ」より)

工事中の新道。西明寺参道入り口方面から小杉十字路方向を見た様子。

長く行われている印象のこの工事ですが、川崎市建設緑政局道路整備課によると、今年3月末時点での用地取得率は、約86%。2025(平成37)年の完成に向け、最優先で取り組んでいる路線とのこと。とはいえ、少し気長に待つ必要がありますね。

この土地は、工事前に遺跡発掘調査が行われており、小杉御殿に関する遺構は見つかってはいないものの、用水跡の可能性が高いとされる江戸時代前半に掘削された溝や、江戸末期から近代初頭の柱穴・土杭、また、川崎の地で明治から関東大震災の頃まで操業していた、御幸煉瓦製造所製の「御幸レンガ」などが発掘されたと、川崎市教育委員会が発表しています。

いずれも貴重な発見であることは間違いなく、現在も小杉陣屋町2丁目で同様の調査を行い、その後工事を進める予定とのことです。

江戸の御殿に思いを馳せるこの埋蔵文化財発掘調査。この先がとても楽しみです。

カギの道については、「中原街道と周辺の今昔」デジタルアーカイブに詳しく掲載されていますので、こちらもどうぞご覧ください。

小杉御殿とカギの道

中原街道の「カギの道」の解消へ

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