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2017.09.07

山下清とその仲間たちの作品展

川崎市市民ミュージアムでは、9月2日から「生命の表現力 山下清とその仲間たちの作品展」が開催されています。

この企画展は、貼り絵の天才と称された画家・山下清の作品50点と、清を育てた知的発達障害児入園施設「八幡学園」で、ともに育った仲間である石川謙二・沼祐一・野田重博の作品を紹介するものです。それぞれの人物像や作品の特徴に加え、障害を抱えた子どもたち一人ひとりに愛情を注ぎ、彼らがもつ天性の才能を見出した八幡学園の豊かな教育方針を軸に、わかりやすく展示しています。

また、開催初日には、八幡学園理事・松岡一衛氏によるガイドで、山下清をはじめとする画家の生い立ちや、生前のエピソードとともに、作品の見どころを解説。
特に、放浪時代、現地ではまったくスケッチをせずに、学園に戻って半年~3年程経ってから風景画の貼り絵を制作し、細かな描写まで再現する、山下清の類まれなる観察眼についての話や、ドラマと実際の人物像の違いについては、皆さん興味深く頷かれていました。

山下清作品展示のあとは、石川謙二・沼祐一・野田重博といった3名の児童たちの作品が展開されます。
いずれも山下清よりも障害が重く、浮浪生活を余儀なくされたり、激しい虐待を受けたのち、八幡学園によって救済された子どもたちです。清のように世間にはその名が知られていないものの、最近になって芸術作品としての評価が高まっています。タイトルにある「生命の表現力」の言葉どおり、作品の放つ力強さや色彩、そして繊細さに、圧倒されます。

11歳で入園するまで、浅草の公園で暮らしていたという、石川謙二の作品。「クレパス画の異才」と評価されている。《学園の風呂場》クレパス/1938年。

「原始芸術の風格」があると評され、近年注目を集めている沼祐一の作品。《ひと》貼絵/1940年。

救護法該当児として11歳で入園。知能の障害が重いものの、作品は写実性があると期待された野田重博の作品。《花と虫のいろいろ》クレパス/1938年。

「生命の表現力 山下清とその仲間たちの作品展」は、川崎市市民ミュージアム 企画展示室1にて10月1日(日)まで開催。
なかなか観ることのできない貴重な作品の数々を、今のうちにご覧になってはいかがでしょうか。
※休館日、開館時間、料金等はこちらから。
川崎市市民ミュージアム

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